塗装しないで見栄えを上げる
― 初心者の色入れ入門【シール・部分塗装・ガンダムマーカー】 ―
エアブラシも塗装ブースも無くてOK。「全塗装はハードルが高いけど、素組みのままだとちょっと物足りない…」――そんな初心者のための“色入れ”入門です。付属シール・スミ入れ・部分塗装・つや消しトップコート。この4つを足すだけで、おもちゃっぽさが消えて一気に“素組み卒業”。スプレーで全身を塗らなくても、見違えるほどカッコよくなります。
「塗装しない仕上げ」でどこまでできる?
結論から言うと、全塗装をしなくても「見栄えUPの階段」を一段ずつ上るだけで、写真に撮りたくなるレベルまで持っていけます。やることは多くありません。順番に積み上げるイメージです。
| 工程 | やること | 効果 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 素組み | 切って組むだけ | 形は完成 | ◎ 誰でも |
| スミ入れ | 溝に流す | 立体感・陰影 | ◎ かんたん |
| シール | 付属シールを貼る | 情報量・密度 | ○ ピンセットで |
| 部分塗装 | 数か所だけ色入れ | 引き締め・リアル感 | ○ 少量ずつ |
| つや消し | スプレー1吹き | 質感統一・脱おもちゃ | ○ 屋外で |
この記事では、下から順に①シール②スミ入れ③部分塗装④つや消しの4ステップを、最小の道具で解説していきます。
① 付属シール/マークシールを使いこなす
ガンプラには色やマークを補うためのシールが付属しています。これを丁寧に貼るだけで密度がぐっと上がります。まずは2種類の違いを知りましょう。
- ホイルシール=色を補う金属光沢のシール。面が大きく目立つので、本当は部分塗装に置き換えると見栄えが上がる。とはいえ最初はそのまま貼ってOK。
- マークシール(デカール風)=ロゴ・番号・注意書きなどの“情報”。これは積極的に貼ると一気にリアル感が出る。
貼る順番とコツ
- 余白カットが命:マークシールは透明フチが光って目立つので、刃を新しくしたデザインナイフで余白ギリギリまで切り落とすと“塗装したような”仕上がりに近づく。
- ピンセットで運ぶ:指で触ると粘着が弱まり位置もずれる。先端の薄いピンセットで台紙から剥がして運ぶ。
- 位置決め→密着:置いたら綿棒で中央から外へなでて空気を押し出す。曲面では何度かに分けて密着させる。
② スミ入れで一段アップ
パーツの溝(モールド)に細い線を流して陰影を強調するのがスミ入れ。塗装しない派でも、これだけはやるべきと言われるほど効果絶大で、立体感とディテールが一気に浮かび上がります。
- ガンダムマーカー 流し込みタイプ=ペン先を溝に当てるだけで毛細管現象でスーッと流れる。手軽さNo.1。
- スミ入れ塗料(エナメル系)=面相筆や付属の筆で流し、はみ出しは専用うすめ液(エナメル溶剤)でサッと拭く。よりきれいに仕上がる。
白いパーツには黒だと強すぎるのでグレーや茶、赤・黄の機体には茶系…と色を使い分けると自然です。詳しいやり方とコツは スミ入れ(パネルライン)完全ガイド で解説しています。
③ 部分塗装で“塗ってる感”を足す
全塗装はしなくても、目立つ数か所だけ色を入れると一気に引き締まります。狙うのは「成型色では物足りない小さな部品」。ガンダムマーカーと面相筆があれば十分です。
定番の塗り分け
- センサー・目・モノアイ → クリアグリーンやクリアレッドで“光ってる感”。
- バーニア・スラスター内側 → メタリック(シルバー/ゴールド)で金属感。
- 関節・露出フレーム・合わせ目周り → グレー系でメカっぽく引き締める。
- ダクト・スリットの奥 → 黒やグレーで奥行きを出す。
はみ出しの直し方
水性のガンダムマーカーなら乾く前に綿棒や爪楊枝で拭き取り。完全に乾いたはみ出しは乾燥後にデザインナイフの刃を寝かせてそっと削るか、専用の消しペンで拭き取ります。最初から面相筆で少量ずつ置くと、はみ出し自体を減らせます。
④ つや消しトップコートで質感を統一
最後の仕上げがつや消しトップコート。スプレーをサッと吹くだけで、テカテカした成型色やシールのフチが落ち着き、“おもちゃっぽさ”が一気に消える魔法の工程です。部分塗装やマーカーのテカリ差もまとめて統一できます。
- 水性プレミアムトップコート(つや消し)=臭気が比較的おだやかで初心者向き。
- Mr.スーパークリアー(つや消し)=ラッカー系で強力だが臭気強め=屋外推奨。
吹き方・選び方の詳細は トップコート完全ガイド を参照してください。薄く数回に分けて吹くのが白化を防ぐコツです。
失敗しない順番(これだけ守ればOK)
4つの工程は順番が超重要。理由つきで覚えてしまいましょう。
- スミ入れを先に:溝に流す作業なので、表面がツルッとしているうちに済ませると流れやすく拭き取りやすい。
- シール・部分塗装を次に:色とマークを足す。マーカーや塗料が乾くまで待つ。
- つや消しトップコートを最後に:シールのフチ・テカり差・塗膜をまとめて保護&質感統一。これを先にやると、上から流したスミ入れ塗料が染みてにじむのでNG。
道具の最小セット
“塗装しない色入れ”に必要なのは、たったこれだけ。全部そろえても数千円から始められます。
- ガンダムマーカー(基本色 数本)=部分塗装用。グレー・メタリック・クリア系があると便利。
- ガンダムマーカー スミ入れ用(流し込み/黒・グレー)=陰影づけ。
- ピンセット(先端が薄いもの)=シール貼りの必需品。
- 綿棒・爪楊枝=はみ出し拭き取り・シール密着。
- つや消しトップコート缶=最後の仕上げ。
- (任意)面相筆=細かい部分塗装に。
これだけ買えばOKの定番
よくある質問(FAQ)
Q. 塗装しないでもカッコよくなりますか?
なります。素組みのままでも、スミ入れで陰影を入れ、付属シールを丁寧に貼り、センサーやバーニアなど数か所を部分塗装し、最後につや消しトップコートで質感を統一するだけで、いわゆる「おもちゃっぽさ」が消えて一気に見栄えが上がります。全塗装をしなくても十分にレベルアップできます。
Q. シールはホイルシールとマークシールどちらを貼ればいい?
両方使います。ホイルシール(金属光沢の色シール)は色を補うための大きめのシールで、目立つので可能なら部分塗装に置き換えると見栄えが上がります。マークシール(ロゴや注意書きのデカール風シール)は情報量が増えて密度感が出るので、積極的に貼るのがおすすめです。
Q. スミ入れとシール・トップコートはどの順番でやればいい?
スミ入れ→シール貼り・部分塗装→最後につや消しトップコートの順です。スミ入れは溝に流すので先に済ませ、シールやマーカーの塗膜はトップコートでまとめて保護・つや統一します。トップコートを先に吹くと、その上に油性スミ入れ塗料を流したときに表面ににじむ・染みることがあるため、必ず最後にします。
Q. 部分塗装のはみ出しはどう直せばいい?
水性のガンダムマーカーなら乾く前に綿棒や爪楊枝で拭き取れます。完全に乾いてしまったはみ出しは、デザインナイフの刃を寝かせてそっと削るか、消しペン(ガンダムマーカー用の専用クリーナー)で拭き取ります。最初から細い面相筆で少量ずつ置くようにすると、はみ出し自体を減らせます。
Q. ガンダムマーカーの上に同じガンダムマーカーを重ねても大丈夫?
同じ溶剤系(ラッカー系のガンダムマーカー)どうしを重ねると、下の塗膜が溶けてにじむことがあります。重ね塗りしたいときは下の色をしっかり乾かす、または水性マーカーとリアルタッチマーカー(水性系)を組み合わせるなど性質の違うものを使うと安全です。心配なら一度トップコートで保護してから重ねると失敗しにくくなります。