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塗装ブースの自作ガイド
― 松竹梅3プランで、予算と手間に合わせて作る ―

塗装・道具の選び方
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「市販の塗装ブースは高い」「置き場所やサイズを自分好みにしたい」――そんな人に人気なのが塗装ブースの自作です。この記事では、予算と難易度で「梅・竹・松」の3プランに分け、それぞれに完成イメージのイラストと寸法の目安(図面)Amazonで買えるパーツ、作り方の手順をまとめました。整流板(“面で吸う”内部構造)ファンの正しい位置素材の選び方(木材 vs プラダン)おすすめファンにも踏み込みます。まずは引火・電気の安全から。ブースの種類や選び方は 塗装ブースの選び方 もどうぞ。

まず超重要:自作の安全と基本構成

自作ブースは安全が最優先です。中でも溶剤の引火電気まわりは事故に直結します。次の基本を必ず守ってください。

BASIC 自作ブースの基本構成 横から見た断面(左=前の作業口/右=奥の壁)。整流板なしの最小構成。 ① 箱(プラダン等) 作業口 (前・開けたまま) ② フィルター ③ シロッコファン (奥の壁・中央〜やや上) ④ ダクト → 屋外へ ⑤ 給気 窓を少し開ける 箱の中でミストを吸い、フィルターで捕集 → ファンで吸引 → ダクトで屋外へ。前の窓を少し開けて給気すると安定します。
資格・法令の注意:屋内配線に直接つなぐ換気扇の取り付けは電気工事士の資格が必要です。本記事はプラグを挿すだけで使えるコンセント式のファンを前提にしています。無資格での配線工事は行わないでください。自作は自己責任であり、火気・溶剤の取り扱いには十分ご注意ください。

中の構造:「整流板」を立てて“面で吸う”

上の基本構成(ファン背面直付け)は最小構成としては動きますが、そのままだと吸うのはファンの口の周りだけ(点で吸う)で、ミストもファンへ直行します。そこで自作ブースの定番テクニックが「整流板(せいりゅうばん)」を1枚、斜めに立てること(上端を手前・下端を奥にして、上下にすき間を残す)。市販の高吸引ブースや自作の名作たちが採用している考え方です。

AIR FLOW 整流板のしくみ(横から見た断面) ダクトで屋外へ ファンユニット 作業口(開口) 吹き付けたミスト 低い位置のミストは床を伝う 上のすき間 2〜3cm 板の上を越えて裏へ吸い込む 下のすき間 2〜3cm Low吹きのミストも ここから吸われる 板の裏=チャンバー 整流板=プラダン1枚を斜めに立てるだけ 上端は手前の天井近く・下端は奥の床際。すき間を塞ぐと吸わなくなるので注意
プラン整流板ファンの位置
梅(手軽)なしでもOK(開口いっぱいにフィルターを貼って代用)背面の中央〜やや上に直付け
竹(定番)推奨:1枚立てて底に3〜5cmのスリット背面の上寄り(整流板の背面側)
松(本格)本命:整流板+背面チャンバー(上下スリットも可)天面後方 or 背面上部
整流板の材料はプラダン・アクリル板・薄ベニヤなど何でもOK。汚れたら拭くか交換するだけの消耗品と考えると気楽です。板は両サイドに細い桟(レール)を貼って差し込むと取り外しが楽になります。

組み上がりの全体像はこんなイメージです(据え置き型の主流スタイル)。天面にファン、前面は全開の作業口、内部に整流板を1枚。

DIY PAINT BOOTH 自作塗装ブースの全体像 1 排気ダクトカラー φ125mm・窓へ排気 2 排気ファンユニット シロッコファン式 3 整流板 上端が手前・下端が奥。 奥の下すき間から吸う 4 LEDメイン照明 手元を明るく照らす 5 プラダンパネル 全部プラダンで作れる 6 作業口(前面は全開) 手を入れて塗装する

箱の素材はどれがいい?(木材 vs プラダン)

結論:プラダンでも十分作れます。そのうえで、長く使う・大きなファンを載せるなら木材(MDF/コンパネ)が本命です。

素材加工しやすさ強度・耐久溶剤・掃除コスト向くプラン
プラダン(PP)◎ カッターでOK△ たわむ・テープ劣化○ PPは溶剤に強く拭ける◎ 安い
段ボール✕ 溶剤・湿気を吸い短命お試し・試作
収納ボックス(PP)○ ホールソー等が必要○ 一体成形で頑丈
木材(MDF/コンパネ)△ のこぎり・ドリル◎ ネジ留め・重いファンOK△ MDFは吸うので塗装/シートで保護竹〜松

松竹梅 早見表(予算・難易度)

「どこまでやるか」を先に決めると迷いません。予算はほとんどファンの価格で決まります

プラン箱の素材ファン予算の目安難易度所要向いている人
梅(手軽)プラダン/段ボール小型シロッコ/ダクトファン約5,000〜1万円★☆☆半日まず安く試したい
竹(定番)収納ボックス/カラーボックス中型シロッコ約1〜2万円★★☆1日頑丈に長く使いたい
松(本格)木材(MDF/コンパネ)大型シロッコ/2連約2〜4万円+★★★週末(2日)大物・高吸引で本格的に
予算は目安です。ファンのグレードや素材で大きく変わります。具体的な価格は各パーツのAmazonカード(実売)でご確認ください。

【梅】手軽・低予算プラン(半日/★☆☆)

:プラダン or 段ボールファン:小型シロッコ/ダクトファン予算:約5,000〜1万円難易度:★☆☆

いちばん手軽なプラン。プラスチック段ボール(プラダン)を本体に、背面へコンセント式の小型シロッコファン/中間ダクトファンを取り付け、アルミダクトで窓から排気します。工具はカッター・定規・養生テープ程度でOK。整流板は無しでもOK——そのかわり開口いっぱいにフィルターを貼ってミストを面で受け止めます。ファンは合板の小パネルにネジ留めしてからプラダンに固定すると、重さでもげません。

UME / PLAN 梅:完成イメージ+寸法 W 約400mm H 約400mm プラダンの箱 前面は全開=作業口 小型シロッコファン 背面の中央〜やや上 目安:W約400 × H約400 × D約350mm / 背面ファン穴 φ100〜150mm / 前面にフィルターを貼ってミスト捕集

作り方(梅)

  1. プラダン/段ボールで幅400×高400×奥350mm前後の箱を作る(前面は開口)。
  2. 背面にファンの外径に合わせた穴を開け、コンセント式の小型シロッコ/ダクトファンを養生テープ・ネジで固定。
  3. ファンの手前に換気扇用フィルターを貼り、ミストを捕集。
  4. ファンの排気口にアルミダクトを接続し、窓から屋外へ。窓は窓用パネルで隙間を塞ぐ。
  5. 通電し、給気(窓を少し開ける)を確保して吸い込みを確認。

【竹】頑丈・定番プラン(1日/★★☆)

:収納ボックス/カラーボックスファン:中型シロッコ予算:約1〜2万円難易度:★★☆

いちばん人気のバランス型。フタ付き収納ボックス(衣装ケース)やカラーボックスを流用すると、プラダンより頑丈で長持ち。ここから整流板を1枚立てるのがおすすめで、吸いが“面”になりファンも汚れにくくなります。ファンは整流板の背面側・上寄りに取り付け、窓用パネルでスマートに排気します。

TAKE / PLAN 竹:完成イメージ+寸法 W 約500mm H 約450mm 収納ボックス 頑丈で長く使える 中型シロッコファン 背面の上寄り 整流板 下に3〜5cmのスリット 目安:W約500 × H約450 × D約400mm / 背面上寄りにファン穴 φ150mm / 窓用パネル+ダクトで屋外へ

作り方(竹)

  1. 収納ボックス/カラーボックスの1面を作業口として開ける(フタや側面を利用)。
  2. 背面の上寄りにφ150mm前後の穴を開け、中型シロッコファンをネジで固定。
  3. ファンの手前に整流板を1枚立てる(プラダン等。底に3〜5cmのスリットを残す。両サイドに桟を貼って差し込み式にすると外して洗える)。
  4. 整流板の前面にフィルターを貼る。
  5. 窓用パネルを窓枠にはめ、アルミダクトでファンとパネルを接続。
  6. 通電・給気を確保して吸引を確認。必要なら箱内に塗装持ち手台を置く。

【松】本格・大型プラン(週末/★★★)

:木材(MDF/コンパネ)ファン:大型シロッコ/2連予算:約2〜4万円+難易度:★★★

大物やサーフェイサーの多用も余裕の本格プラン。MDFやコンパネで頑丈な大型BOXを組み、整流板+背面チャンバーの本格構造に、大型シロッコを天面後方(または背面上部)へ。市販の高吸引ブースと同じ「面で吸う」設計です。LEDバーライトで手元を明るく、ターンテーブルで塗りやすさも向上。木工の道具(のこぎり/電動ドライバー等)が必要です。

MATSU / PLAN 松:完成イメージ+寸法 W 約700mm H 約600mm 木製BOX(大型) MDF/コンパネ 大型シロッコファン 天面後方 or 背面上部 整流板+チャンバー 面で吸う本格構造 LEDバー照明 天面前縁で手元を明るく ターンテーブル 回して塗りやすい 目安:W約700 × H約600 × D約500mm / 天面後方 or 背面上部にファン穴 φ150〜200mm

作り方(松)

  1. MDF/コンパネを幅700×高600×奥500mm前後にカットし、電動ドライバーで箱に組む(前面は開口)。MDFは内面を塗装かシート貼りで保護。
  2. 天面後方(または背面上部)大型シロッコ用の穴を開けて固定。コンセント式(プラグ付き)を選ぶ。
  3. 奥から10cmほど手前に整流板を立てて背面チャンバーを作る底に3〜5cmのスリット。差し込み式のレールにすると掃除が楽)。
  4. 整流板の前面にフィルターを貼り、天面前方にLEDバーライトを取り付け。
  5. アルミダクト+窓用パネルで屋外へ確実に排気。
  6. 床にターンテーブルを置き、通電・給気を確保して仕上げ。

ファンはどれを買う?(Amazonで買えるおすすめ)

自作の心臓部はファンです。選ぶ系統は大きく2つ。①プラグ付きで届いてすぐ使える「ダクトファン(シロッコ式)」と、②自作勢の昔からの定番「天井埋込形換気扇(シロッコ)」です。スペックは「風量(m³/h)」表記をチェック——目安として、卓上サイズなら100〜200m³/h級、大型・サフ多用なら200〜300m³/h級以上が快適です。数字以上に大事なのは、ダクトや目詰まりに強いシロッコ/ダクトファン式であること

① プラグ付きダクトファン(梅・竹の本命/資格不要)

Hon&Guan などのパイプ用ダクトファン(100〜150mm)が定番。プラグを挿すだけで使え、風量調整(スピードコントローラー)付きのモデルなら騒音と吸引のバランスも取れます。150mmクラスなら竹プランにも十分。

Hon&Guan ダクトファンを見る → プラグ付きダクトファンを探す →

② 天井埋込形換気扇(松の定番・大風量/配線に注意)

パナソニックや三菱の天井埋込形換気扇(シロッコファン)は、大風量・静音・高耐久で大型自作ブースの定番。ただし多くは屋内配線への直結を前提とした製品です。プラグ付きコードに加工済みの品を選ぶか、配線は電気工事士に依頼してください(無資格での直結工事はNG)。

パナソニック FY-27B7(松の本命)→ パナソニック 天井埋込形を見る → 三菱 ダクト用換気扇を探す →

ダクトまわり(共通):フレキシブルダクト+アルミテープ

ファンの排気口と窓をつなぐのはアルミのフレキシブルダクト(ファンの口径に合わせてφ100〜150mm)が定番。伸縮して取り回しやすく、できるだけ短く・曲げを少なく配管すると吸引を落としません。ファンとの接続部やダクトの継ぎ目はアルミテープで目張りして、ミスト漏れと風量ロスを防ぎます(布ガムテープは溶剤・熱で劣化しやすいので、耐熱のアルミテープが安心)。

フレキシブルダクトを探す → アルミテープを探す →

迷ったら:梅・竹=プラグ付きの150mmダクトファン松=大風量の埋込形シロッコ(配線はプラグ付き加工品 or 電気工事士)。どの機種でも整流板+フィルターと組み合わせるのが長持ちのコツです。

共通の注意点(安全・長持ち)

SAFETY やること/避けること コンセント式のシロッコを使う モーターが気流の外で安全 フィルター+給気を確保 ダクトは短く屋外へ プロペラ換気扇に直当て モーターへの引火の恐れ 無資格の配線工事 直結はNG・コンセント式で

一緒に揃えると安心なもの

防毒マスクを探す → 交換フィルターを探す → 塗装持ち手を探す →

よくある質問

Q. 自作は初心者でもできる?

プラダンや収納ボックスを使う梅プランなら、工具も最小限で半日ほどで作れます。まずは梅から始め、物足りなければ竹・松へステップアップが安心です。

Q. 一番の注意点は?

引火と電気です。モーターが気流の外にあるシロッコ/ダクトファンを選び、プロペラ換気扇のモーター直当ては避ける。電源はコンセント式にして、無資格での配線工事はしない。フィルターと給気、屋外排気を必ず確保します。

Q. どんなファンがいい?取り付け位置は?

静圧が高くダクトに強いシロッコ/中間ダクトファンが向きます(プロペラは目詰まりで吸引が落ちやすく引火面の注意も)。手軽なのはプラグ付きのダクトファン(Hon&Guan等の100〜150mm)、大型なら天井埋込形換気扇(要・配線注意)。位置は背面中央の直付けより、整流板を立ててその背面側の上寄り(背面上部か天面後方)がベストです。

Q. 整流板って必要?

梅プランは無しでもOK(開口全面フィルターで代用)。竹以上では強くおすすめです。1枚立てて底に3〜5cmのスリットを残すだけで、開口全体からムラなく吸うようになり(面で吸う)、ミストが整流板で捕まるのでファンも汚れにくくなります。材料はプラダンや薄ベニヤでOK。

Q. 箱はプラダンでも大丈夫?木材のほうがいい?

プラダンでも十分作れます(軽い・カッターで切れる・PPは溶剤に強い)。コツはファンを直付けせず合板の小パネル経由で固定すること。長く使う・大きなファンを載せるなら木材(MDF/コンパネ)が本命で、ネジ留めできて頑丈・気密も取りやすいです(MDFは内面を塗装かシートで保護)。段ボールは試作専用と考えましょう。

Q. 予算はどれくらい?

目安で梅=5,000〜1万円/竹=1〜2万円/松=2〜4万円+。多くはファンの価格で決まります。市販完成品よりサイズ・吸引力を自分好みにできるのが自作の魅力です。

Q. 排気はどこへ?

アルミダクトで窓から屋外が基本。窓用パネルを使うと隙間なく確実に。ダクトは短く・曲げ少なくが吸引を保つコツです。

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