← アプリに戻る

塗料の種類と重ね塗りの相性
完全ガイド
― ラッカー・水性・エナメル・ウレタン ―

塗装・基礎知識
※ 本記事はアフィリエイト広告(PR・Amazonアソシエイト等)を含みます。詳細はプライバシーポリシーをご確認ください。

プラモ塗装でいちばん多い失敗が「塗料の種類を混同して下地が溶けた」「違ううすめ液を使って塗料が死んだ」というもの。塗料は色より先に「種類(系統)」を理解するのが上達の近道です。この記事では、ラッカー・水性アクリル・エナメル・ウレタンの特性と、重ね塗りの相性、そして失敗しない塗り順を図解で解説します。

塗料は大きく4種類

まずは全体像から。模型用塗料は「うすめ液(溶剤)」で次の4タイプに分かれます。違いは樹脂ではなく溶剤──ここが最大のポイントです(じつはラッカーもタミヤアクリルも“アクリル樹脂”ですが、片や有機溶剤系、片や水性で、性質はまったく別物)。

タイプ うすめ液(溶剤) 乾燥・塗膜 匂い・安全性 得意な用途 代表ブランド
ラッカー
(溶剤系アクリル)
ラッカー専用うすめ液 速乾・塗膜は最も強い 強い臭気・要マスク&換気 下地〜本塗装まで万能。エアブラシの定番 Mr.カラー / ガイアカラー / タミヤLP / GGX
水性・アクリル 水 or 専用うすめ液 やや遅乾・塗膜は柔らかめ(アクリジョンは硬化後に強くなる) 低臭・室内向き 筆塗り・初心者・換気しにくい環境 水性ホビーカラー / タミヤアクリル / アクリジョン
エナメル エナメル専用溶剤(石油系) 遅乾・塗膜は薄く弱い 中程度の臭気 スミ入れ・ウォッシング・部分塗装 タミヤエナメル / ガイア NAZCA エナメル
ウレタン 専用シンナー(主に2液型) 硬化後は最も硬く耐溶剤性◎ 強い臭気・要防護 カーモデルのクリアー・本格仕上げ フィニッシャーズ
塗料のうすめ液は種類専用です。ラッカーに水を入れても薄まりませんし、エナメルにラッカー溶剤を入れると性質が変わります。「塗料を買ったら、その種類のうすめ液も一緒に」が鉄則。

なぜ「重ね塗りの相性」が大事なのか

カギは「上に塗る塗料の溶剤が、下の塗膜を溶かすかどうか」。強い溶剤(ラッカー)を弱い塗膜(水性)の上に塗ると、下地が溶けてにじみ・ひび割れが起きます。逆に、弱い溶剤(エナメル・水性)を強い塗膜(ラッカー)の上に塗っても下地は無傷です。

「上塗りの溶剤」が下地を溶かすか? 弱い塗膜 ← 強い溶剤(NG) 下地:水性(やわらかい) 上塗り:ラッカー(強溶剤) 下地が溶けてにじむ ✗ 強い塗膜 ← 弱い溶剤(OK) 下地:ラッカー(強い塗膜) 上塗り:エナメル(弱溶剤) 下地は無傷・きれいに定着 ○

重ね塗りの相性表(下塗り × 上塗り)

4タイプの組み合わせを一覧にしたのがこちら。縦=先に塗った下地横=その上に塗る塗料です。

下塗り\上塗り 上塗り(上に塗る)
ラッカー水性・アクリルエナメルウレタン
下塗り ラッカー
水性・アクリル ×
エナメル ××
ウレタン
問題なし 要注意(はがれ・割れ・はじきの恐れ。端材でテスト推奨) × 不可(下地が溶ける/定着しない)

※ ラッカーとウレタンは塗膜が強く「下地」に最適。水性・エナメルは塗膜が弱いので「上塗り側」で使うのが基本です。

失敗しない黄金ルール

🎨 ラッカー(下地)→ 水性・アクリル(本塗装)→ エナメル(スミ入れ・上)
上に行くほど溶剤が弱く、下の層を侵さない。これさえ守れば重ね塗り事故はほぼ防げます。

実際の作業では、ここにサーフェイサー(下地)トップコート(保護・つや調整)が加わります。下から順に積み上げるイメージは次の通り。

塗装の重ね順(下から積み上げる) ⑤ トップコート(つや消し/光沢) ④ スミ入れ(エナメル) ③ 部分塗装・ディテール(水性/ラッカー) ② 基本塗装(ラッカー) ① サーフェイサー(下地・キズ埋め) プラスチック素材 上ほど溶剤が弱い 下の層ほど塗膜が強い → 上の弱い溶剤で溶けない 各層の間はしっかり乾燥させるのがコツ

タイプ別の使いどころと、揃えておきたいうすめ液

① 下地・基本塗装はラッカーが王道

塗膜が強く、上に何を重ねても溶けないので下地に最適。発色・乾燥・耐久のバランスが良く、エアブラシ塗装の主役です。専用うすめ液は必ずセットで用意しましょう(メタリック塗料には専用の遅乾シンナーが有効)。

📦
ガイアノーツ プロユースシンナー(ラッカー用うすめ液)
ラッカー塗料の希釈・洗浄に。大容量1000mlでコスパ良好。エアブラシ派は1本常備しておくと安心。
🛒 Amazonで見る

② サーフェイサーで下地を整える

サーフェイサーはラッカー系の下地材。キズや成形跡を埋め、塗料の食いつきと発色を上げます。グレーは色の基準作りに、ブラックは陰影を効かせたいとき、ホワイトは明るい発色を出したいときに。塗料の種類別の選び方は 塗料大全(工事中) トップコート大全(工事中) でメーカー横断比較できます。

📦
ガイアノーツ サーフェイサーエヴォ グレー
隠ぺい力ときめ細かさで定番の下地材。まず1本ならグレーが万能。ビンタイプでエアブラシにも。
🛒 Amazonで見る

③ スミ入れはエナメルが鉄板

エナメルは乾きが遅く、はみ出しても専用溶剤を含ませた綿棒で拭き取れるのがスミ入れに最適な理由。ラッカーで塗装した上から流し込めば、下地を侵さずシャープな陰影が入ります。ただしプラ割れには要注意(後述)。

📦
タミヤ エナメル溶剤 X-20(特大 250ml)
エナメル塗料の希釈・拭き取り用。スミ入れのはみ出し処理に必須。大容量で長く使える。
🛒 Amazonで見る

やりがちな失敗と回避法

失敗1:水性塗装の上にラッカーを吹いて溶けた

相性表どおり「水性 → ラッカー」は×。どうしても重ねたい場合は、間に水性のトップコート(クリアー)で保護層を作るとリスクを下げられます。基本は順番を守るのが安全。

失敗2:エナメルのスミ入れでパーツが割れた

エナメル溶剤は応力(テンション)のかかったプラに浸透すると割れを起こします。関節・ダボ・パーツを差し込んで負荷がかかる箇所は要注意。先にラッカーで塗装して保護膜を作る、溶剤を薄めにする、一度に流し込みすぎない、で大幅に防げます。

失敗3:違ううすめ液を入れて塗料がダマになった

ラッカーに水、水性にラッカー溶剤……は分離・凝固の原因。塗料と同じ系統のうすめ液を使いましょう。「アクリジョン」だけは専用うすめ液必須(水でも薄まるが性能が落ちる)です。

アクリジョンは水性ながら乾燥後に耐溶剤性が出るハイブリッド型。一般的な水性より上塗りに強く、十分乾かせばラッカーを重ねやすいのが利点です。

まとめ

各メーカーの塗料・サーフェイサー・クリアーを色相環順×メーカー別で比較したいときは、塗料大全(工事中) トップコート大全(工事中)が便利です。同じ色を各社で見比べて、そのままAmazonで購入できます。

よくある質問(FAQ)

Q. ラッカー・水性・エナメルはどう違う?

違いは「樹脂」ではなく「溶剤(うすめ液)」です。ラッカーは有機溶剤系で塗膜が最も強く速乾、水性アクリルは水や専用うすめ液で薄められ低臭、エナメルは石油系溶剤でスミ入れ向き。溶剤系統が違うため、重ね塗りの相性や使ううすめ液が変わります。

Q. 重ね塗りの順番のルールは?

基本は「ラッカー(下地)→ 水性・アクリル(本塗装)→ エナメル(スミ入れ・上)」。上に行くほど溶剤が弱く、下の層を溶かさないのが鉄則です。

Q. 水性塗料の上にラッカーを塗ってもいい?

基本はNGです。ラッカーの強い溶剤が下の水性塗膜を溶かします。どうしても重ねたい場合は、間にクリアーでコートして保護層を作るとリスクを下げられます。

Q. エナメル塗料でパーツが割れるって本当?

本当です。エナメル溶剤は応力のかかったプラに浸透するとヒビ・破損を起こすことがあります。可動部へのスミ入れは特に注意。先にラッカーで塗装して保護膜を作ると安全です。

Q. アクリジョンは水性なのにラッカーを上に塗れる?

アクリジョンは水性ながら乾燥後に耐溶剤性が出るハイブリッド型で、一般的な水性塗料より上塗りに強いのが特徴です。完全乾燥が前提なので、十分に乾かしてから慎重に重ねましょう。

積みプラの管理は「TSUMI TSUMI」で

バーコードをスキャンするだけでカンタン登録。完全無料、登録不要のWebアプリ。

TSUMI TSUMIを使ってみる→
※ 本記事の商品リンクは Amazon アソシエイトです。Amazon のアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。リンク経由で商品をご購入いただくと、一部が運営費に充てられます。商品の選定は運営者が独自に行っており、外部からの依頼は受けていません。